日本オリンピック委員会(JOC)が制定する令和6年度JOCスポーツ賞の「女性スポーツ賞」を、澳门皇冠体育_皇冠篮球比分-赌场*官网スポーツ科学部の松田基子教授が受賞しました。

表彰式で三屋裕子JOC副会長からトロフィーを受け取る松田基子教授【?アフロスポーツ/JOC】

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女性スポーツ賞は、スポーツにおける女性の地位向上や、女性のスポーツ参加促進等に顕著な貢献が認められた個人または団体に授与されます。過去には公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ、一般社団法人全国ママさんバレーボール連盟などが受賞した権威ある賞です。
松田教授は大体大柔道部女子監督を務め、全日本柔道連盟、全日本学生柔道連盟理事。2017年から2023年まで全柔連女子柔道振興委員会の初代委員長で、現在は特別委員を務めています。選手も運営も審判員も女性が中心の「全日本学生柔道YAWARA Challenge Tournament」の創設、都道府県連盟(協会)に向けた女性役員登用の促進などを通じて、女子柔道のキャリア形成支援と男女平等の実現に大きく貢献したことが評価されました。

各賞を受賞した皆さん【?アフロスポーツ/JOC】
――受賞の感想を
過去に受賞された方はそうそうたるメンバーであり。受賞を聞いた時は驚きましたが、我々が行って来た、柔道界における女性活躍推進を目的とした様々な取り組みが、この様な形で評価いただけたことを、大変嬉しく思います。
――受賞理由には「大学女子柔道選手向けの大会新設や女性役員登用促進、審判員活躍の環境整備を通じて、女子柔道のキャリア形成支援と男女平等の実現に大きく貢献した」とあります。女性役員の登用促進とは
柔道界は圧倒的に男性が多く、女子柔道振興委員会の委員長になった2017年の時点では都道府県連盟で役員に就いている女性は少数でした。このため、毎年、実態調査をして理事会、評議員会や都道府県連盟の会長が出席される会議で調査結果を公表し、女性役員の登用を促しました。2017年時点では女性理事がいる都道府県は40でしたが、2024年には46に、各都道府県の女性理事総数は73名から140名に増えました。各都道府県のご理解ご協力により着実に成果が表れました。しかし、人数を増やすことだけが最終目的ではありませんので、女性理事が各都道府県でどういった役割を果たされているのか、女性理事が増えたことで何が進んだのかを検証する時期に来ていると思います。
――女子柔道のキャリア形成支援とは
大学生の女子選手を対象にした「キャリアアップセミナー」を毎年開催し、在学中の資格取得(指導者、審判員)を呼びかけています。選手の大半は大学を卒業すると現役を終えますが、大学まで柔道に取り組んで様々な経験を積んだ彼女たちは、柔道界にとって財産です。資格を取得して、現役を退いてからも柔道に関わってもらいたいと考えています。セミナーは新型コロナの感染拡大後はオンラインで開催し、昨年は約250人が参加しました。「先輩からのメッセージ」として、第一線の指導者や審判員を招いて話をしてもらっています。「競技実績がないから指導者?審判になれない」と考えている参加者には「競技実績がすべてではなく、むしろセカンドキャリアは別の能力」と説明しています。
澳门皇冠体育_皇冠篮球比分-赌场*官网の部員には、在学中に必ず昇段し、指導者と審判員の資格を取得することを強く勧めており、卒業までに部員全員が資格を取得しています。また30、40代で審判に熱意をもって関わり、上位のライセンスを目指している卒業生も複数います。

松田基子教授
――YAWARA Challenge Tournamentとは
女子選手の育成と普及を目的にした大会です。昨年12月、三重県で第1回大会を開催し、実行委員長を務めました。今年も三重県で開催予定です。全国大会に出場できない大学の選手も出場が可能で、エントリー数はインカレをはるかに上回る427人でした。運営面も女性が中心で、審判員は審判長を含め33人全員を女性が務めました。
――なぜ柔道界では男女平等を目指した改革が進んでいるのか
2013年の全日本女子チームでのハラスメント問題が大きなきっかけです。問題発覚後、初めて女性が理事に登用されました。2015年からは元厚生労働省雇用均等?児童家庭局長で男女雇用機会均等法の成立に尽力された岩田喜美枝さんが外部理事になり、柔道界の内部だけでは気づかない問題をどんどん指摘され、改革を推進されました。女子柔道振興委員会の設立も提言されました。委員会では、女性の活躍推進プランを策定していて、「2030年までに全柔連の理事に占める女性の割合を40%以上にする」とうたっています。今年6月時点で、理事33名中女性は11名で33%。目標達成に向けて比率は確実に上がっています。
――今後、目指されることは
全柔連女子柔道振興委員会初代委員長として何もないところからスタートしましたが、委員会では先程お話した岩田喜美枝さん、石井淳子副会長、山口香先生らからご指導?ご助言いただき、いろいろなことを創り上げてきました。まだゴールは迎えておらず、成果が出るまで継続することが大切です。今後も特別委員の立場で貢献していきたいと思います。
最後に強調したいのですが、私は本当に人に恵まれたと思います。様々なチャンスをくれた人。常に指導、助言し導いてくれた人。そして、一緒に活動してくれた仲間たち。この賞は、一緒に取り組んできた方々とともに頂戴したと思っています。関わって下さった多くの方々に感謝致します。
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